抜歯をすると、人中が伸びるとは本当ですか?
人中とは
人中とは、鼻の下から上唇に向かって伸びる溝のことをいいます。
この人中の距離は、「長い」と面長で大人っぽく見え、「短い」と若々しく可愛らしい印象となります。
人中の長さには個人差がありますが、一般的に年をとるにつれて徐々に伸びていきます。加齢によって口の周りの筋肉が衰えると人中部分の肌はたるみ、赤唇(唇の赤い部分)も痩せてくるので、若い頃よりも人中は長く見えるようになります。
矯正治療の抜歯で人中は伸びる?
矯正治療による歯列の後退や矯正治療の抜歯が原因となって人中が伸びる・縮むことはありません。
何となく「歯列を下げすぎると口元が貧相になる」というイメージを持ってしまうことは分かります。
ただ、矯正治療はたとえ抜歯を行ったとしても、歯を動かせるのは歯の土台部分である「歯槽骨」内でのみです。また、新宿南口矯正歯科では基本的には患者さんの歯列弓の大きさは原則的に変えない方針で治療を行っております。
治療によって不自然な出っ張りや乱れは治しても、患者さんの容貌が変化するほどの大きな歯列の変更は行いません。
矯正治療での抜歯について
出っ歯が改善したことで、視覚的に人中が伸びて見えることも
出っ歯(上顎前突)の方の場合、上顎の前歯によって上唇部分が不自然に持ち上げられていることがありますが、矯正治療で出っ歯を改善後、その不自然な持ち上がりが無くなることで、視覚的に以前よりも人中が伸びて見える可能性があることは考えられます。
ただし、人中も短ければ短いほど良いというわけではなく、「鼻の下から唇の中心」「唇の中心からあご先」が「1:2」程度の比率が美しいと言われています。
矯正前と比べて伸びたと感じるようになっても、前歯の歯列の突出が無くなり患者さんご自身のお顔の中でバランスが取れている口元であれば、健康的で美しい口元と言えるのではないでしょうか?
口周りの筋肉の衰えで伸びて見える場合も
筋力は使わないと衰えていきますが、それは顔や口周りの筋肉も同様です。容貌に関しては骨格や歯はもちろんのこと、それらを取り囲む「筋肉」もとても重要な役割を果たしています。
矯正治療では、装置が付くことで普段より口が動かしにくくなったり、痛みによって咀嚼が不自然になったりすることがあります。そのせいで口周りの筋肉が衰え、人中やほうれい線、頬などに変化が現れる可能性もあります。
筋肉の問題は「容貌」だけでなく、「機能面」にも影響を起こします。また、歯列は舌の筋肉と頬や唇側の筋肉とのパワーバランス上に成り立っており、矯正治療とお顔の筋肉の問題は実は切っても切り離せません。
新宿南口矯正歯科では、治療の各過程で口腔筋機能療法(MFT)を取り入れることで、「歯列」だけでなくその周辺の組織を見据えた治療を行い、口元の機能・見た目の総合的な改善を目指しています。