噛み合わせが悪いとはどういうこと?
噛み合わせで重要なポイント
安定した噛み合わせには、上下の歯が大きく5箇所でしっかりと噛み合わさることが重要です。
- 前歯部分
- 左右の犬歯
- 左右の大臼歯部
これらの5箇所がどのようにかみ合わさっていれば「正しい咬合」と言えるのかには、きちんとした基準が存在します。
前歯部分の重なり
前歯部分の垂直方向の重なり(オーバーバイト)、水平方向(オーバージェット)の重なりが正常範囲かどうかを見ます。両方の値が2〜3mmの内である場合、正しい噛み合わせと言えます。
オーバーバイトがプラスに偏ると過蓋咬合(かがいこうごう・ディープバイト)、マイナスに偏ると開咬(かいこう)となり、オーバージェットがプラスに偏ると上顎前突(出っ歯)、マイナスに偏ると反対咬合と言えます。
左右の犬歯の重なり
犬歯は前から3番目の歯で、上下左右で4本存在します。噛み合わせで重要なのは、この犬歯の上下関係です。上の歯の犬歯と下の歯の犬歯がしっかりと噛むことで、噛み合わせが安定します。
具体的には、下顎犬歯が上顎犬歯の半分ほど前に位置し、下顎犬歯の尖った部分(尖頭)が上顎側切歯と犬歯の間に位置するような関係(咬頭嵌合)が理想で、これを「犬歯の一級関係」と呼び、ひとつの噛み合わせの基準としています。
左右の大臼歯部の重なり
犬歯と同じように、上下の大臼歯が正しく噛んでいることが大切です。
アングルの分類では、上下顎の第一大臼歯(前から6番目の歯)の咬合関係を基準として分類を行います。
下顎の第一大臼歯が上顎第一大臼歯の少し前(近心)に位置し、咬頭嵌合(こうとうかんごう)することが正常咬合であるⅠ級とみなされます。
咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)とは?
歯が「噛み合う」と言った時、それは歯の「山」部分(咬頭 / こうとう)と「谷」部分(窩 / か)がうまくはまることを指します。このように噛み合った歯列の位置関係を咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)呼び、正しい噛み合わせを判断する上で重要なポイントとなります。
矯正治療前の噛み合わせの評価、そして正しい噛み合わせを作る段階で、このようなポイントを見ていきますが、噛み合わせはこのような静的な関係性だけでなく、動的な関係性についても考える必要があり、奥の深い分野でもあります。