前歯の中心に隙間があります。部分矯正は可能ですか?
前歯の中心に隙間があるとのことで、正中離開(せいちゅうりかい)というすきっ歯の症状でお悩みかと思います。
この不正咬合を引き起こしている原因にもよりますが、軽度の正中離開で噛み合わせに問題が無い場合は、前歯部分のみを動かして隙間を閉じていく部分矯正が適用できる可能性があります。
また、その場合マウスピース型矯正も治療の選択肢として選ぶことができます。
部分矯正で治せる正中離開の症例
正中離開を矯正治療で治すためには、開いた隙間を閉じるように、前歯を動かしていきます。
その際、オーバーバイトとオーバージェットが適切である必要があります。
噛み合わせが深い(オーバーバイトの値が大きい)場合には、噛み合わせ全体の調整を行う必要があり、部分矯正ではなく全体矯正が必要となります。
オーバーバイトとオーバージェットとは
オーバーバイトもオーバージェットも上下の前歯の位置関係を表す言葉です。
オーバージェットは噛み合わせの前後関係で、上の歯が下の歯より少し(2〜3mm程度)前に出る状態が正常だと考えられています。
一方、オーバーバイトは噛み合わせの深さを表します。上の歯が下の歯に重なる部分が垂直方向に多ければ多いほど噛み合わせは「深い」と言え、噛み合わせの問題が生じてきます。オーバーバイトも2〜3mm程度が適正値だと言われており、これがマイナスの値になると、前歯部分が開いてしまい噛み合わない「開咬(かいこう)」となります。
噛み合わせが深いケース(部分矯正ができないすきっ歯)にもかかわらず、部分矯正で無理に歯を動かしてしまうと、動かした歯がまた元に戻ってしまう「後戻り」を引き起こしやすくなり、そのようなお悩みで再矯正のご相談にくる患者さんが近頃多くなっています。