Gap Teethすきっ歯
Gap Teeth

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)とは

すきっ歯の種類

すきっ歯とは歯と歯の間に隙間ができた歯並びのことを指す言葉で、不正咬合の一種です。すきっ歯とは俗称で、専門的には「空隙歯列 / くうげきしれつ」と呼びます。

すきっ歯の中でも多い症状が、上の前歯2本の真ん中に隙間が空いたすきっ歯(正中離開 / せいちゅうりかい)です。海外では、正中離開は「幸運の歯」とも呼ばれどちらかというと、好意的にとられる場合が多いようです。すきっ歯をチャームポイント、かわいい、と考える人もいますが、どうしても目立つ部分の歯並びですので、悩んでいる患者さんにとっては大きな問題です。

すきっ歯の原因

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)は不正咬合のひとつですが、その原因は「先天的なもの」と「後天的なもの」とに大きく分けられます。

上唇小帯や過剰歯・矮小歯などの先天的な要因によってすきっ歯となっている場合には、子供の頃に治療を行う方も多いですが、大人になってからすきっ歯を気にされて治療を希望する方もいらっしゃいます。

特に、舌癖や下顎の突き上げによって前歯の歯並びが前方に向かって広がっていくフレアーアウトが原因となるすきっ歯では、時間の経過と共にすきっ歯が目立ってくることもあります。

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)の原因
  • 上唇小帯が長く前歯の間に割り込んでいる
  • 過剰歯(余分な歯)が前歯の間に割り込んで生えている・骨の中に埋まっている
  • 側切歯(中切歯の隣の歯)が小さい・欠如している
  • 歯の大きさに対して顎が大きい
  • 子供の頃の指しゃぶり・舌で歯を押すなどの習癖
  • 噛み合わせが深く、下顎の突き上げでフレアーアウトが生じている

正中離開(上の前歯間のすきっ歯)に多い原因

正中離開はすきっ歯(空隙歯列)の中でも上の前歯(中切歯 / ちゅうせっし)2本の間に2ミリ程度の隙間があいてしまう症状です。

原因としては、中切歯の間に過剰歯や上唇小帯などが割り込んで隙間をあけてしまうことや、歯が小さい、または歯に対して歯のアーチが大きいことなどが挙げられます。

上の前歯間に隙間が空いてしまう理由には、前歯の間に組織や歯が入り込んで押し広げることが比較的多くみられます。

上唇小帯が長く前歯の間に割り込んでいる

上唇小帯(じょうしんしょうたい)とは上唇と歯茎をつなぐ筋のことを指します。乳幼児ではこの筋が太く目立ちますが、顎の成長とともに小さく細くなっていきます。

一方で永久歯に生え変わってからもこの上唇小帯が歯と歯の間に入り込んでいる場合、上唇小帯の「付着異常」となり、正中離開の原因になります。

上唇小帯が原因となってすきっ歯(正中離開)となっている場合には、上唇小帯を切除してから歯の隙間を治す治療を行います。

過剰歯(余分な歯)が前歯の間に割り込んで生えている・骨の中に埋まっている

大人の歯は通常全部で28本、親知らずも含めると32本あります。その通常の本数を超えて生えてくる歯のことを「過剰歯(かじょうし)」と呼びます。
過剰歯とすきっ歯

過剰歯は上の前歯部分に生じやすく、特に、上の前歯間に割り込むように生えてくるため、正中離開の原因となります。

ただ、過剰歯の多くが歯槽骨部分に埋まったまま生えてこないので、レントゲンを撮影して初めてその存在に気付くということもあります。埋まった過剰歯(埋伏過剰歯 / まいふくかじょうし)もその位置や向きによってはすきっ歯の原因となることもあります。

生えてきた過剰歯は基本的には抜歯し、矯正治療によって歯並びを整えます。埋まったままで生えてこない過剰歯については、他の歯への影響が少ない場合にはそのままでも問題ありませんが、矯正治療や他の歯への健康に悪影響を及ぼす際には抜歯を行います。

側切歯(中切歯の隣の歯)が小さい・欠如している

余分な歯がすきっ歯の原因となる一方で、歯が小さい場合やあるべき歯が欠如している場合にもすきっ歯は生じます。

側切歯の矮小歯・欠損歯とすきっ歯

平均的な大きさよりも小さい歯のことを矮小歯(わいしょうし)と呼びますが、ただ小さいだけでなく、円錐状であるなど通常の歯の形とは異なります。矮小歯は側切歯(中切歯の隣の歯)に現れやすく、歯が小さいために歯列に隙間があき、すきっ歯となります。

小さいだけでなく、中には欠如していることもあります(先天性欠損歯)。もともとあるべき歯が欠如していることで歯と歯の間に隙間が空き、正中離開や空隙歯列を誘発しますし、噛み合わせも乱れます。

矮小歯に関しては、矯正治療で隙間を閉じ噛み合わせを整えることで見栄えも改善することが可能ですが、歯の大きさの違いが気になる場合にはセラミック等を用い、形や大きさを整える場合もあります。

空隙歯列(正中離開以外で隙間がある歯並び)に多い原因

歯の大きさに対して顎が大きい

歯のガタガタや出っ歯などは、全ての歯が並ぶスペースが顎の骨にないことから生じます。一方で、そのスペースがありすぎても、歯と歯の間に隙間が空いてしまい、すきっ歯となります。

矯正治療では隙間が閉じるように歯を動かしていきますが、隙間が多い場合には奥歯を少しづつ前へ詰めていくことで隙間を閉じていきます。

子供の頃の指しゃぶり・舌で歯を押すなどの習癖

乳児期の指しゃぶりについては発達上必要なものだと考えられていますが、その時期を超えて指しゃぶりを続けた場合、歯並びに悪影響を与えたり、顎の成長を阻害したりします。

指しゃぶりは続けることで、前歯が前方へ倒れ込んで出っ歯や開咬となったり、歯列が外側へ広がりすきっ歯となります。

指しゃぶりだけでなく、舌で上の前歯を押す癖などもすきっ歯の原因となります。

下顎の突き上げによるすきっ歯

噛み合わせが深い場合、下顎が上顎に当たって上顎に前方向への圧力がかかるようになります。結果的に上顎の前歯は外へ外へと倒れていき(フレアーアウト)、出っ歯(上顎前突)となる他、歯列のアーチが広がっていき歯と歯の間に隙間ができることですきっ歯となります。

フレアーアウトとすきっ歯:フレアーアウトとは、前歯が前方へ放射状に倒れ込んでいくことです。フレアーアウトは歯周病によって引き起こされる他、舌癖や下顎の突き上げなどによっても生じます。前歯が前へ倒れ込むことで、出っ歯となったり、歯と歯の隙間があいてすきっ歯の原因となります。

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)の治療方法

すきっ歯を治すためには空いた隙間を閉じていく必要がありますが、原因やすきっ歯の程度・症状によって、隙間だけを閉じればよいのか、それとも歯列全体の改善が必要なのかが異なります。

すきっ歯の治療にはまず、ワイヤーやマウスピースを用いた「矯正治療」があります。矯正治療は患者さん自身の歯を動かしていく治療で、歯並びを調整することですきっ歯の治療を行います。

一方、すきっ歯にはセラミックなどを用いた治療方法もあります。こちらは歯の形や大きさを調整することで、すきっ歯の治療を行う方法です。
例えばダイレクトボンディングやラミネートベニアなどの方法を用いて隙間を埋めたり、歯の大きさを調整することで隙間を無くしていきますが、問題点もありますので注意が必要です。

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)の治療方法
  • 歯列矯正(歯並びを整えることですきっ歯を治す)
  • 審美治療(歯自体を整えることですきっ歯を治す)
  • 歯列矯正+審美治療(補綴治療)
  • 歯列矯正+口腔筋機能療法(MFT)

歯列矯正(歯並びを整えることですきっ歯を治す)

矯正治療ですきっ歯を治す

不正咬合の治療では、矯正治療が第一の選択肢となります。矯正治療ではご自身の歯を動かすため、治療後は半永久的に治療後の状態を保つことができます。(もちろん、日々のお手入れや健診を行いお口のコンディションを良好に保つ努力は必要になります。)

また、舌癖などが原因となって引き起こされたすきっ歯の場合、矯正治療に加え、筋機能訓練療法(MFT)と呼ばれる、口周りの筋肉の使い方、バランスを整えるトレーニングを行うことで、すきっ歯となった原因を取り除き、矯正後の後戻りを防ぐことができます。
新宿南口矯正歯科では口腔筋機能療法(MFT)も矯正治療と合わせて行なっております。

すきっ歯の矯正治療には大きく分けて、部分矯正と全体矯正があります。

部分矯正

軽度の正中離開など、解消したい隙間が小さな場合・歯並びに問題の無い場合には前歯部分だけを動かす部分矯正が適用できる場合もあります。部分矯正は上顎または下顎の前歯6本に対して行う矯正治療です。軽微な歯のねじれ・隙間・傾きを治療する方法で、噛み合わせの治療が必要な際には向いていません。

全体矯正

隙間が大きい場合・噛み合わせに問題がある場合には、歯列全体を動かしながら隙間を閉じていく必要があるため通常の矯正治療(全体矯正)となります。

ワイヤーやマウスピースといった矯正装置を用いて、歯列全体を動かすので部分矯正と比べて治療期間は長くなりますが、歯並びと噛み合わせを整えてくため、見た目の問題だけでなく機能面での改善も行うことができる治療方法です。

すきっ歯の矯正治療に用いる装置は以下のようなものがあります。

ワイヤー矯正(裏側タイプの舌側矯正/表側タイプの唇側矯正)

舌側矯正・裏側矯正

すきっ歯の矯正治療では、その症状によって歯の動かし方が変わります。フレアーアウトを起こし、すきっ歯と共に歯が倒れ込んで出っ歯(上顎前突)となっている場合には、ワイヤー矯正、特に舌側矯正をおすすめします。また、噛み合わせが深い(過蓋咬合)を伴っている場合にもワイヤー矯正が適しています。
舌側矯正について

マウスピース型矯正
(インビザライン)

インビザライン

マウスピース型矯正でもすきっ歯の矯正治療は可能です。ただし、歯の移動が多い場合や出っ歯(上顎前突)や過蓋咬合を伴っている場合には、ワイヤー矯正の方が適していることもあります。
マウスピース型矯正(インビザライン)について

症状や治療計画によっても異なりますので、マウスピース型矯正をご希望の方は一度ご相談ください。新宿南口矯正歯科では、ワイヤー矯正・マウスピース型矯正に対応し複数の治療方法をご提案できる他、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の併用プランもご用意しております。
カスタマイズ矯正について

審美治療(歯自体を整えることですきっ歯を治す)

審美・補綴

わずかな隙間を埋め戻したり歯の形を整えることで、すきっ歯を目立たなくすることが補綴(ほてつ)治療では可能です。補綴によってすきっ歯を目立たなくさせる方法は、矯正治療よりも短期間で行うことができますが、欠けや脱離、経年劣化、再治療の可能性があることを忘れてはいけません。

また、噛み合わせ自体に問題がある場合、フレアーアウトを起こしている場合などは歯の軸自体が傾いており、その歯を修復しても根本的な解決には至りません。

歯の将来的な健康と美しさを考えるのでしたら、すきっ歯などの不正咬合の治療には矯正治療をおすすめします。

ダイレクトボンディング

すきっ歯とダイレクトボンディング

コンポジットレジンなどの歯科治療用の樹脂を用いて、隙間を埋めるように歯を整形する方法です。短時間かつ比較的安価な治療方法ですが、欠けや脱離も多く長く保つ治療方法ではありません。

ラミネートベニア

すきっ歯とラミネートベニア

前歯の表面に薄いセラミック素材の板を"つけ爪"のように接着させることで、歯の大きさや形・色を整える治療方法です。
ダイレクトボンディングよりも強度がありますが、欠けや脱離が無いわけではなく、やはり永続的な治療方法ではありません。

患者さんの歯にぴったりと合った修復物を設置するには、歯の表面を削って整形したのち、型取り・技工を行う上、噛み合わせ調整などの工程も必要となり、治療期間は数ヶ月、また費用もそれなりにかかります。

歯列矯正+審美治療

将来的な歯の健康のためには、矯正治療が第一選択肢となりますが、すきっ歯(空隙歯列)の中には歯の調整が必要な症状もあります。

特に、矮小歯や歯の欠損が理由ですきっ歯(空隙歯列)となっている場合には、歯列矯正で歯並びを整えたのち、審美治療で歯の形を整えたり、インプラントで歯を補っていくこともあります。

新宿南口矯正歯科では、不正咬合の治療に関しては噛み合わせを重視した歯列矯正のみを行い、セラミック矯正と呼ばれるような補綴物を用いた歯並びの調整は行なっておりません。

ただし、矯正治療によって歯並び、噛み合わせを整えた後にどうしても必要とされる補綴治療に関しては院内で請け負っております。(当クリニックで矯正治療を行われた患者さんに限ります)

歯列矯正+口腔筋機能療法(MFT)

歯並びは口周りの筋肉のバランスや舌の位置などによっても乱れることがあります。舌で前歯を押したり、下を突き出すような癖があると、前歯が徐々に前方へ傾き、出っ歯やすきっ歯を引き起こします。

この癖が抜けない限り、たとえ矯正治療を行なったとしても、また歯並びが悪化してくることは想像に難くないと思います。

新宿南口矯正歯科では、矯正治療と合わせて口腔筋機能療法(MFT)を行うことで、口周辺の筋肉バランスを整え、矯正治療の成功と後戻りの防止を目指します。

web上に散見される「すきっ歯を自力で治す」といったことは無理ですし危険ですが、口腔筋機能療法(MFT)は口元の状態を改善させるために、患者さんが自分で取り組めるものです。

すきっ歯(正中離開・空隙歯列)は
治療した方がいい?

すきっ歯の問題点

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)の問題点
  • 審美的な(見た目の)問題
  • 発音障害
  • 咀嚼障害
  • 咬合(噛み合わせ)の問題

すきっ歯は前歯部分に隙間が空き、お顔の印象に関わることもあるため、「審美的問題」つまり見た目の問題として意識されることが多い不正咬合です。

ただ、一方で発音の問題や食事をする際の咀嚼に関する問題も生じやすいのがすきっ歯という歯並びです。発音に関しては、歯の間から空気が漏れ出てしまうことで、歯擦音とも呼ばれる「サ行」(前歯を擦り合わせて音を出している)を発音するのが難しくなる場合があります。
また咀嚼に関しては、歯に隙間があることで、食べ物を噛む・すりつぶす動作が難しくなることや、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなります。

さらに、すきっ歯は上顎前突(出っ歯)や開咬、過蓋咬合(ディープバイト)といった不正咬合を伴う場合もあり、その際には噛み合わせの問題も生じます。

すきっ歯は矯正した方がいい?

わずかな正中離開や軽度の空隙歯列でしたら、治療をせずそのままにしている方もいらっしゃいますが、見た目や噛み合わせが少しでも気になるようでしたら、一度矯正歯科にご相談することをお勧めします。

特に噛み合わせに問題がある際、そのまま放置しておくと、さらなる歯並び・咬合の悪化や、歯・顎への負担が増すこともあります。

新宿南口矯正歯科の
すきっ歯(正中離開・空隙歯列)治療

新宿南口矯正歯科では患者さんとのコミュニケーションを大切にし、患者さんが治療についてしっかりと理解されたうえで治療を進めていきます。

すきっ歯の治療に関しては、原因や程度によって治療方法や治療期間も異なります。

カウンセリングでは患者さんのご希望やお悩みをしっかりと伺い、治療前にはシミュレーションを用いてご説明の時間を十分に取ります。担当する矯正医が患者さんについて理解を深めると同時に、患者さんにもこれから行う治療について正しく理解をいただくことが治療ゴール後の笑顔につながると考えています。

新宿南口矯正歯科の特徴

  • 矯正後の歯並び・口元のイメージについて共通の認識を持てるよう、患者さんとのコミュニケーションを大切にします。
  • カウンセリングから検査、技工、治療に至るまで同じ矯正医が担当するため、ひとりの患者さんについて深く理解した矯正医が治療に向き合います。
  • ひとつの矯正方法だけでなく、複数の矯正方法・プランをご提案することができます。
  • 治療期間中は来院ごとに毎回記録(撮影)を行い、前回からの変化や進度を丁寧に確認します。
  • 舌癖がある患者さんには、筋機能訓練療法(MFT)を行います。
  • 矮小歯や欠損歯が原因にとなるすきっ歯では、矯正治療と組み合わせて補綴治療を行うことも可能です。
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(17:00~18:00は原則休診)
土・祝 10:00~13:00,14:00~18:00
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