ノート
部分矯正で
すきっ歯と出っ歯を
改善した症例


主訴と実際の症状、治療内容についての概要
患者さんは20代の女性です。上の前歯の隙間と、前歯の突出感が気になるということで相談にこられました。
気になる部分だけを治療する部分矯正を初めから希望されており、検査の結果、可能だと判断できましたので、ご希望通り部分矯正で治療を行いました。
治療は歯の裏側にワイヤー装置をつける舌側矯正で行い、抜歯は行わず、約5カ月間で行いました。
写真で見る矯正治療の経過
正面からの経過写真
唇側からの経過写真
精密検査と診断について

こちらは上の歯の治療前のようすです。
前歯の間に隙間ができてしまう「正中離開(せいちゅうりかい)」というすきっ歯の一種となっていました。
前歯部分が前へ倒れ込んでいたことが主な原因で、前歯が前傾することで突出感にも悩まれていました。
正中離開は部分矯正が可能な場合と、部分矯正で無理に治すと後戻りのリスクが生じる場合があります。
今回の症例の場合、部分矯正で行なっても後戻りのリスクは少ないと判断し、歯の裏側に装置をつける部分矯正で治療を行なっていきました。
矯正治療のポイント
治療経過

こちらは上の歯に装置をつけた時の写真です。
部分矯正では、対象の歯だけに矯正装置を設置して治療を行います。
裏側タイプの舌側矯正ですと、部分矯正の場合、装置はほとんど目立ちません。
治療を終えて

前歯の間にあいていた隙間はきれいに閉じました。今回の症例ではさほど大きな隙間ではありませんでしたが、歯の隙間がなくなると見た目の印象が変化します。
また、食事の際に食べ物が詰まるストレスや発音の改善につながることもあります。


検査時と矯正治療後の横から見た口元の写真です。
前歯の前方への傾斜が改善されたため、口元がすっきりした印象を受けます。


今回は前歯の隙間(正中離開)と前歯の傾斜を改善することを目的に矯正治療を行なってきました。
抜歯は行わず、前歯6本に装置をつける部分矯正ですので、前歯部分しか動かしていませんが、歯の角度が変わったので印象が変わります。

治療完了後は透明なマウスピースタイプの保定装置を装着します。
患者さんが部分矯正を希望されても、症例によっては難しい場合がありますが、こちらの患者さんの場合は部分矯正で治療ができました。
通院にもご協力いただき、半年未満で治療が完了いたしました。
この度はお疲れさまでした。
治療詳細
- 治療方法
- マルチリンガルブラケットを用いた上顎部分矯正(3-3、6本)、
非抜歯 - 治療内容
- 前歯の唇側傾斜改善、上顎の正中離開の改善
- 治療期間
- 2023年5月(装置装着)~2023年10月(終了)
- 費用
- 精密検査費用:38,500円(税込)
治療完了までの総額:330,000円(税込)
(矯正装置代・通院費用を含む)
※掲載している費用は治療当時のもので現在の治療費用とは異なります。 - リスク・副作用
矯正装置による不快感、痛み(疼痛)
矯正装置の不快感や痛みを感じる期間は人それぞれで、処置の内容によっても変変化しますが、一般的に、矯正装置を装着してから2〜3週間ほどで装置がお口の中にあることに慣れてくるようになります。
また、歯が動く際の痛みは感じ初めて1日〜2日ほどで収まることが多いと言われています。
治療期間の延長
歯の動き方には個人差があり、診断時に予測した治療期間を超える可能性があります。また、マウスピース等の矯正装置やエラスティック(顎間ゴム)の装着時間が足りない場合にも治療期間が延長される場合があります。
虫歯や歯周組織の炎症
矯正装置を装着している間は、丁寧な歯磨きが必要となります。歯の清掃が不十分ですと虫歯や歯周病にかかりやすくなります。歯のみがき方指導を行いますので、歯みがきを徹底し、矯正治療中も口腔内を清潔に保つようにしてください。
歯根吸収
矯正歯科治療中、歯根が歯の土台(歯槽骨)に吸収されていき、短くなることを歯根吸収(しこんきゅうしゅう)と呼びます。矯正治療において歯を無駄に動かしたり、強すぎる矯正力をかけてしまう場合に、歯根吸収を引き起こす可能性があります。
歯肉退縮
歯茎が下がり、歯の根元が露出するようになることを歯肉退縮(しにくたいしゅく)と呼びます。矯正治療ほか、強すぎるブラッシングなどでも生じます。歯根が露出すると、知覚過敏を引き起こし、虫歯・歯周病にもなりやすくなるほか、審美面でも問題となります。
矯正治療において歯の動かせる範囲は、歯槽骨のある部分だと決まっており、歯槽骨から歯が外れていった場合、歯肉退縮が生じることがあります。
また、矯正力が強すぎた場合、歯槽骨が吸収され歯茎が下がることでも歯肉退縮は起こります。
骨の減少
歯を支える骨や歯肉がすでに不健康な状態
エナメルクラック
装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
後戻り
矯正歯科治療が終了した直後は、歯は不安定で動きやすい状態にあります。矯正後の歯を安定させるため、リテーナー(保定装置)の装着をお願いしています。リテーナーを指示通り使用しない場合、歯並び・噛み合わせが再び乱れてくる「後戻り」を引き起こすことがあります。
装置の破損、脱落
矯正装置は小さな部品から成り立っており、何らかの衝撃により外れた場合、矯正装置を誤飲する可能性がありますのでお気をつけください。装置のゆるみ、浮き、ぐらつきなどを感じた場合には早めにご相談ください。
装置による口腔内の炎症
ゆるんだり破損した装置によって、または口をぶつけたりすることによって、頬や唇が傷ついたり炎症を起こすことがあります。
顎関節に対する影響
矯正治療中、一時的な噛み合わせが顎関節に影響を及ぼし、顎の痛み、開口障害などを引き起こすことがあります。
アレルギー
装置の種類、材質はそれぞれ異なりますが、装置に対してアレルギー反応を起こす場合があります。金属アレルギーやラテックスアレルギー等、事前に確認いたしますが、治療中に反応が出た場合、装置を変更したり、治療を中止することがあります。
歯の癒着
ごく稀に、歯が生える過程で歯と歯が癒着すること(癒合歯 / ゆごうし)、強い衝撃などにより歯と歯槽骨とが癒着していること(アンキローシス)があります。癒着した歯に対してむやみに矯正力を加えても歯の移動は難しく、治療前の検査にてよく確認する必要があります。
治療済みの歯に対して
歯に被せ物などの大きな修復物が装着されていると、神経に影響が生じることもあります。また、矯正治療後、かぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などを 治療後の噛み合わせに合わせてやり直す必要がでてくる場合があります。
- 治療担当
- 小川理絵