口ゴボ・ゴボ口
(上下顎前突・上顎前突)とは
近年口まわりの見た目、審美的特徴を表す言葉として急速に広まったワードとして「口ゴボ(くちごぼ)」や「ゴボ口」というものがあります。
口ゴボとは、顔を横から見た時に口元が出て見えるお顔の特徴を指し、患者さんご自身にとっては、口元が出っ張っている、顎が無いように見える、人中が長い、歯茎が露出するなどといったお悩みとして意識されます。
口ゴボの症状をもう少し専門的な言葉で言うと「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」。これは上顎と下顎の両方が前に出過ぎている噛み合わせ・歯並び(不正咬合)のことを指します。
口ゴボ(上下顎前突・上顎前突)の問題点
口ゴボ(上下顎前突)の問題点には審美的な問題の他、呼吸・咀嚼・発音といった機能的な問題があります。
顎自体や前歯部分が前に出っ張ることで、口が閉じにくくなり、歯ぐきの露出や口の乾き、口呼吸で悩まれる患者さんもいらっしゃいます。口呼吸に関しては、口ゴボ(上下顎前突)の原因となっていることもあり、そうした場合には矯正治療と共に口腔筋機能療法を行います。
- 審美的(見た目の)問題
- 口唇閉鎖不全(お口が閉じにくい)
- 口呼吸を伴いやすい
- 口の乾き・口臭・虫歯や歯周病のリスク(お口が閉じにくいことから)
- 咀嚼・発音といった機能的な問題
口ゴボの審美的問題
口ゴボ(上下顎前突)は特に審美的問題として、患者さんご自身に意識されることが多い不正咬合です。
Eライン・横顔
横から見た時に口元が突出して見える。Eライン上から口元が出ている。
顎が後退している・ない
口元に対して顎部分が後ろに下がって見える。
ガミースマイル
口元の突出により唇が押し上げられ、歯茎が露出する
人中が長い
鼻の下(人中)が長く見える。
顎の梅干し状のシワ
口を閉じた際に顎に梅干しのようなシワが寄る。
口ゴボとEライン
Eライン(E-line、イーライン、エステティックライン)とは鼻の先端とあごの先端を結んだ線のことで、この線より口元が少し内側にあることが美しい口元の基準とされています。この考え方はアメリカの矯正医ロバート・リケッツ(Robert Ricketts)が提唱したもので、対象は欧米人(コーカソイド)であり、一概に日本人(モンゴロイド)に当てはめられるものではありません。
特にモンゴロイドの頭骨はコーカソイドに比べて前後方向の長さが短く(奥行きが少なく)、頸椎・筋肉・周辺器官が収まるスペースが限られているため、顎が前に出やすいと言われています。また、鼻の高さもコーカソイドとモンゴロイドとでは異なるため、欧米基準のEラインを目指すのは現実的ではありません。
日本人にとっては、Eライン上に上唇が重なる程度が良いという見方もありますが、自然で美しい横顔はひとそれぞれ異なります。口ゴボの矯正治療においては、機能面と見た目の調和が取れることが理想であり、新宿南口矯正歯科ではその点を重視して矯正治療を行っていきます。
口ゴボ(上下顎前突・上顎前突)の原因
口ゴボ・ゴボ口(上下顎前突)とは上下の前歯が前方に傾いているために口もとが出ている症状を指します。
患者さんの中には「出っ歯(上顎前突)」のことを「口ゴボ」だと考えている方もいらっしゃいますし、実際に顎が後退している出っ歯(上顎前突)は「口ゴボ・ゴボ口」と捉えられるがちです。
口ゴボとは定義が曖昧な言葉ですが、噛み合わせ・歯並びの症状は複合的に現れることも多く、ご自身での判断は難しいため、口元の出っ張りでお悩みの場合は、矯正歯科へのご相談をお勧めします。
アデノイド肥大による口呼吸が原因となった顔貌の特徴で「アデノイド顔貌」というものがありますが、こちらも下顎の劣成長・口元の突出・面長…といった口ゴボと似た外見的特徴となります。ただし、「アデノイド顔貌」と言えるものは、原因がアデノイドの肥大であることがはっきりした場合であり、その場合はまず耳鼻科での治療が必要となります。
上下顎前突に分類される口ゴボの原因
- 口輪筋(口周りの筋肉)が弱い
- 舌で前歯を押す癖(舌癖)がある
- 子供の頃に指をしゃぶる癖があった
- 口呼吸である
上顎前突(出っ歯)に分類される口ゴボの原因
- 下顎の成長不足
- 下顎の後退
口ゴボ(上下顎前突・上顎前突)の治療方法
口ゴボ・ゴボ口を治し、口元の見た目を改善するためには、矯正治療が必要となります。
上下顎前突の口ゴボの場合、上下の歯が前方に傾斜して口元がでている状態なので、歯の傾きを整えつつ歯列を後ろへ下げていく矯正治療を行います。
また顎が後退して口ゴボになっている上顎前突の治療については、出っ歯(上顎前突)の治療方法のページをご覧ください。
口ゴボの治療にはワイヤー矯正
(裏側タイプの舌側矯正/表側タイプの唇側矯正)
口ゴボ(上下顎前突)の矯正治療では、ワイヤー矯正が適しています。特に歯の裏側に装置がつく舌側矯正(リンガルブラケット矯正)は前方に倒れ込んだ歯列を引き下げていく治療に向いています。
舌側矯正について
抜歯を行い歯列を下げていくことの多い口ゴボの治療には、マウスピース型矯正は向かないことが多く、基本的にはワイヤー矯正をご提案することがほとんどです。ただし、新宿南口矯正歯科ではワイヤー矯正とマウスピース型矯正を組み合わせたカスタマイズ矯正も行っており、症例と患者さんのご希望によっては、治療の後期にマウスピース型矯正を取り入れることもあり得ます。
必要に応じて歯科矯正用アンカースクリューを使用
口ゴボの矯正治療では歯槽骨にアンカースクリューを打ち、ゴムなどを矯正装置とアンカースクリューにかけて前歯を引き下げていきます。
歯科矯正用アンカースクリューとは矯正装置と併用し、歯に力をかけていく際の固定源になる小さなネジのことをいいます。歯槽骨に埋め込む形で使用し、矯正治療後は撤去します。
矯正用アンカースクリューの登場で、以前は外科矯正が必要であるような症状でも、矯正装置と歯科矯正用アンカースクリューの使用で対応ができるようになったものもあります。矯正用アンカースクリューは、主に前歯部分の歯列を下げる際や、ガミースマイルの改善治療などに利用します。
口ゴボ治療では抜歯が必要な場合が多い
口ゴボの治療では前に倒れ込んで突出している歯列を後ろへ下げていくため、抜歯を必要とする可能性が高いです。
歯を後退させる量は、患者さんの歯の大きさや歯を支える歯槽骨の大きさ、突出の程度によって異なり、抜歯が必要かどうかは、「どれくらい歯列を下げる必要があるか」に関係してきます。
口ゴボ治療の場合は、口元の出っ張りを気にされる患者さんが多いので、それを解消することがひとつの目標となります。口元の出っ張りを改善するためには、ある程度歯を後ろへ移動する必要があり、その移動のためのスペースを確保する必要から抜歯を行うことがあります。
抜歯が必要な際には患者さんに対して「どうして抜歯が必要なのか」をご理解いただき、同意していただいた上で治療計画を決定いたします。
歯列矯正+口腔筋機能療法(MFT)
口ゴボで悩まれる患者さんには口輪筋(口周りの筋肉)の力が弱いかたがいらっしゃいます。
新宿南口矯正歯科では、矯正治療と合わせて口腔筋機能療法(MFT)を行うことで、口周辺の筋肉バランスを整え、歯並びを悪化させるような舌壁を無くすことで、矯正治療の成功と後戻りの防止を目指します。
新宿南口矯正歯科の
口ゴボ治療
新宿南口矯正歯科では患者さんとのコミュニケーションを大切にし、患者さんが治療についてしっかりと理解されたうえで治療を進めていきます。
口ゴボの治療に関しては、治療後の口元のイメージを患者さんと共有することが重要になります。
カウンセリングでは患者さんのご希望やお悩みをしっかりと伺い、治療前にはシミュレーションを用いてご説明の時間を十分に取ります。担当する矯正医が患者さんについて理解を深めると同時に、患者さんにもこれから行う治療について正しく理解をいただくことが治療ゴール後の笑顔につながると考えています。
新宿南口矯正歯科の特徴
- 矯正後の歯並び・口元のイメージについて共通の認識を持てるよう、患者さんとのコミュニケーションを大切にします。
- カウンセリングから検査、技工、治療に至るまで同じ矯正医が担当するため、ひとりの患者さんについて深く理解した矯正医が治療に向き合います。
- 矯正技工も矯正医が担当し、模型での徹底したシミュレーションを行います。
- ひとつの矯正方法だけでなく、複数の矯正方法・プランをご提案することができます。
- 治療期間中は来院ごとに毎回記録(撮影)を行い、前回からの変化や進度を丁寧に確認します。
- 口輪筋のトレーニング・舌癖の解消のため、筋機能訓練療法(MFT)を取り入れています。
歯並びのお問い合わせ
・無料カウンセリング予約
女性専門の矯正歯科です。
女性院長による無料カウンセリングは約60分、
お一人おひとりのお気持ちに向き合います。カウンセリングについて