Overbite出っ歯
Overbite

出っ歯(上顎前突)とは

出っ歯とは上の前歯や上顎が全体的に前へ出ている症状のことを指し、専門的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼びます。

出っ歯は噛み合わせといった「機能面」での問題はもちろん、お顔の印象や見た目といった「審美面」を気にして矯正歯科へ相談に来る患者さんも多い不正咬合です。 こちらでは、出っ歯(上顎前突)と合わせ、出っ歯と混同されやすい口ゴボやアデノイド顔貌についてもお話ししていきます。

出っ歯の原因と分類

出っ歯の原因

「出っ歯」とひとくちに言っても、どのように出っ歯となっているかは人それぞれです。出っ歯(上顎前突)の原因には「遺伝」、指しゃぶり・舌で前歯を押す等の「くせ」の他、口呼吸があります。

また、出っ歯(上顎前突)の成り立ちには、上顎の歯だけが傾いた「歯槽性」や上顎の骨だけが出た「骨格性」といったように、いくつかの種類に分類することができ、その成り立ちによって治療アプローチも異なります。

ご自身の噛み合わせが出っ歯なのかどうか。また、どのようなタイプの出っ歯なのか、正しく知ることが治療をしていく上でも重要になります。

歯槽性上顎前突(歯が問題の出っ歯)

歯槽性の上顎前突・出っ歯

上の前歯が前方に傾斜していくことで生じる上顎前突のことを歯槽性上顎前突(出っ歯)と呼びます。

歯槽性の出っ歯の場合、上下のあごの位置に大きな差はありませんが、上の歯の前歯が前方に大きく傾斜します。歯が前に傾くことで口が閉じにくくなる他、咀嚼の問題や噛み合わせが深くなる問題も伴いがちです。

上の前歯と下の前歯の前後位置関係のことを「オーバージェット」と呼びますが、そのオーバージェットが4mm以上だと、上顎前突傾向と言えます。

骨格性上顎前突症(骨格性の出っ歯)

骨格性の上顎前突(出っ歯)は、歯だけでなく上あごの骨が前に出過ぎている、または下顎の骨が小さい(劣成長である)場合に「骨格性」と診断することができます。

骨格性の出っ歯も矯正治療で治療ができますが、重度の場合には骨格自体を整えるため外科手術を伴う治療が必要になることがあります。

セファログラムで見た時の出っ歯、出っ歯の診断

A点は上顎骨の前方、B点は下顎骨の前方の位置を指す点。N(ナジオン)とそれぞれを結んだ際、平均的な噛み合わせでは、A点とN点、B点とN点を結んだ線が作る角度(ANB角)はごく小さい(2〜5度程度)。この角度が大きいと上顎前突傾向にある。

診断は精密検査時に撮影するセファログラムの分析によって行います。「出っ歯」イコール「上顎が大きい」ことが原因となっていると考えられがちですが、下顎の小ささから相対的に上顎が前に出て出っ歯となることもあります。日本人の下あごは劣成長の傾向にあり、むしろ下あごの位置が原因となって骨格性上顎前突となっている場合の方が多いと言われています。

骨格性上顎前突(出っ歯)のなりたち

  • 上あごが前に出ている(上あごが大きい)
  • 下あごの位置が後方にある(下あごが小さい)

一番多いのは骨格性と歯槽性の混合型の出っ歯

上顎前突(出っ歯)の成り立ちには大きく分けて「骨格性」と「歯槽性」のふたつがありますが、実は骨格性と歯槽性の混合型が最もよく見られます

出っ歯の治療では、出っ歯となっている原因を正しく分析し、そこから効果的・効率的な治療計画を策定することが重要になります。その際に欠かせないのが精密検査です。新宿南口矯正歯科では、歯科用3DCTの撮影、歯型の採取、顔面写真撮影等を行なった上で治療計画の立案・提案を行います。

機能性上顎前突

出っ歯に限らず不正咬合には、骨格の問題(骨格性)、歯の問題(歯槽性)の他、機能面の問題(機能性)の3要素が存在します。

機能性の上顎前突(出っ歯)は、下あごを閉じようとする際に、その動きを邪魔する何らかの要因があり、動きを阻害されたために生じる問題のことを指します。機能面の場合も単体で生じるというよりは、骨格性や歯槽性との関係の中で生じることが多いのが特徴です。

アデノイド顔貌、口ゴボは「出っ歯」?

出っ歯に関係して患者さんが相談される内容に「アデノイド顔貌」や「口ゴボ」があります。

アデノイド顔貌・口ゴボの横顔

「口ゴボ」は口元が相対的に出ている状態を指すくだけた言い方で、正確な定義はありませんが、不正咬合の分類で言うと、おもに「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」となります。

「アデノイド顔貌」とは、アデノイド肥大が原因となるお顔の特徴を指しますが、「口呼吸」が引き起こす口元やお顔の変化、下顎の劣成長が原因となる上顎前突もアデノイド顔貌と似ているため、口ゴボや出っ歯と混同されがちです。

アデノイド顔貌については早期の治療が望ましく、アデノイド肥大自体は耳鼻科に、アデノイド肥大が原因となって生じている骨格的変化については矯正歯科にご相談いただきます。

※アデノイド:のど奥の鼻腔とのどがつながっている場にあるリンパ組織で6歳頃に最も大きくなります。この組織が何らかの原因によって大きくなると、鼻詰まりや口呼吸等の問題を引き起こす「アデノイド肥大」となります。

口ゴボもアデノイド顔貌も「口元が出ている」「顎がない・後退している」といった特徴を持ちますが、「上下顎前突」なのか「上顎前突(出っ歯)」なのかはご自身ではなかなか判断が難しいと思われます。口元の突出感でお悩みの方はまずは矯正歯科に相談したり、精密検査を受けることをお勧めします。

出っ歯(上顎前突)の治療方法
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