舌側矯正(裏側からの矯正)Lingual Orthodontics
裏側からの舌側矯正治療とは
目立ちにくい矯正方法
従来からある矯正方法では歯の表側に装置をつけますが、舌側矯正は歯の裏側(舌側)に矯正装置を装着する矯正方法で「リンガルブラケット矯正」とも呼ばれます。
装置自体は唇側矯正と同じようにブラケットとワイヤーを使用しますが、歯の裏側に付くので装置が見えにくく、その点が大きな特徴です。
新宿南口矯正歯科の舌側矯正
矯正装置の技工は院長が行います
舌側矯正では「矯正装置の技工」が治療の要となります。
それは、形が複雑で装置の装着がしにくい「歯の裏側」に装置をつけるため、ブラケットの加工や位置決め、設置といった作業が、治療にそのまま影響するからです。
新宿南口矯正歯科では、この矯正装置の技工を院長自らが行います。
患者さんの歯並び・口腔内の状態を把握し、治療計画を立案した者が技工を行うことで、治療にとって理想的な装置が作成できるほか、必要な時に必要な調整が可能となります。
実は矯正歯科医が技工の全てを行っている医院はほとんどありません。新宿南口矯正歯科は矯正装置の精度を重視し、院長が技工に至るまで、責任を持って担当しています。
毎回の処置を丁寧に
経過観測・患者さんへの説明を欠かしません
矯正治療中は定期的に通院をしていただくことなります。新宿南口矯正歯科ではその日お迎えする患者さんお一人おひとりについて、院長が丁寧に対応いたします。
- その日行う処置の確認
- 患者さんをお迎えして口腔内の確認
- その日に行う処置の説明
- 処置
- 口腔内の写真撮影
- 処置後の説明・ご報告
上記は患者さんが来院された時の一般的な流れです。処置の前と後で必ず患者さんへのご説明の時間をお取りし、治療がどのように進み、その日の処置がどのようなものかを患者さんご自身に知っていただけるようにしております。
一見特別なことは行っていないように見えますが、説明不足で処置の内容がわからず不安になった、という患者さんの声を少なからず耳にすることがあります。
また、前回からの歯の動き・変化について把握しやすいよう、毎回の処置後には口腔内の写真撮影を行い記録に残しています。
新宿南口矯正歯科は毎回の処置を丁寧に重ねることで、経過や治療中の些細な変化を把握し、矯正治療の質を高め、治療を成功に導きます。
裏側からの舌側矯正 特徴
矯正装置が歯の裏側につき目立ちにくい
表からは装置が見えにくいので、矯正中でも気付かれにくいのが舌側矯正です。他の人に治療していることを気づかれたくない方に向いている矯正方法です。
ほとんどの症例に対応できる
舌側矯正はブラケットとワイヤーを使用した矯正方法でその点では唇側矯正と同じです。歯を大きく動かしていくことも可能で、多くの症例に対応できます。
歯を引き込む動かし方が得意
舌側矯正は歯の裏側に装置をつけますが、力のかかり方が唇側矯正とは異なり奥歯が固定源となりやすい特徴があります。一般的に大きく歯列を下げようとすると、前歯部分にかける力の反作用を受けて、奥歯が前に動いてきてしまいますが、舌側矯正ではその傾向が少なく、特に下顎の前歯を引き込む動かし方を得意としています。
虫歯になりにくい
矯正装置を付けると装置の周りの清掃が難しくなり、虫歯や歯周病のリスクは高まります。ただ、歯の裏側は常に唾液が循環していて、その自浄作用によって比較的虫歯になりにくいと言われています。
舌側矯正のメリットとデメリット
舌側矯正のメリット
- 矯正装置が目立ちにくい
- 多くの症例に対応できる
- 表側の矯正に比べて虫歯になりにくい
- 矯正中でもスポーツは通常どおりできる
(唇側矯正にくらべ、口元の怪我をしにくい) - 舌癖(歯を舌で押してしまう癖)が改善されることがある
- 矯正していても歯のホワイトニングができる
舌側矯正の注意点
- 装置の装着後すぐは咀嚼などに違和感がある
- 装置の装着後すぐは発音がしづらい
- 唇側矯正より費用が高い
舌側矯正で治療ができる
主な不正咬合
歯並び・噛み合わせの問題を不正咬合(ふせいこうごう)と呼びます。不正咬合は歯だけの問題でなく、顎の形状(遺伝や成長異常によるもの)や悪い癖(指しゃぶり・口呼吸・舌癖など)などが原因となって生じます。
不正咬合の種類には以下のようなものがあります。症状は複合的に現れる場合もありますが、裏側タイプの舌側矯正では大抵のケースに対応可能です。
歯のがたがた叢生 乱杭歯
日本人の不正咬合の約4割が"歯のがたがた"であると言われるほどお悩みの方が多い不正咬合です。
出っ歯上顎前突
上の前歯、または上顎全体が前に出過ぎている不正咬合です。
出っ歯について
すきっ歯空隙歯列 正中離開
歯と歯の間が空きすぎている歯並びです。
すきっ歯について
受け口・しゃくれ下顎前突
下顎の前歯、または下顎全体が前に出ている不正咬合で、噛み合わせや滑舌に問題を起こしている場合が多く見られます。
オープンバイト開咬
上の前歯と下の前歯が噛み合わない状態のことを言います。
ディープバイト過蓋咬合
噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯を覆います。中には、下の歯で上顎を傷つけてしまうこともあります。
舌側矯正の治療期間
歯並び全体の矯正で1年〜2年半程度
矯正治療の期間は症状や個人の体質によって異なります。順調に治療が進んだ場合、一般的に前歯だけの軽微な症状では6か月~1年、噛み合わせまで含めた全体の矯正ですと、1年~2年半程度です。ただし、歯並びの症状や治療方法によって期間が異なるので、あくまで平均的な治療期間となります。
新宿南口矯正歯科では、クリニックの都合ではなく、患者さんの治療進度に合わせた間隔で通院できるようお約束しています。
結婚式や成人式などのイベントに向けて矯正治療を考えている方はまずご相談ください。治療期間や治療方法について柔軟に対応し、見た目と噛み合わせの両方を改善できる治療計画を策定いたします。
舌側矯正の痛み・不快感
矯正治療には痛みや不快感を伴うことは多くの人がご存じだと思います。ただ、どんな痛みなのか、耐えられるのか、不安に思う方も少なくありません。裏側タイプの舌側矯正に関しては、痛みは数日間でおさまることがほとんどで、装置の違和感についても2〜3週間で慣れることが多いです。
舌側矯正の痛み
装置が口の中に当たる痛み
歯の裏側に矯正器具を装着しているために、主に舌に器具が当たって傷がつき、口内炎ができる可能性があります。また、下顎の奥歯に装置をつける場合は、舌の根元の部分と舌側装置が当たりやすく、痛みや炎症ができやすい傾向にあります。
歯が動く際の鈍い痛み
歯列矯正において歯が動く際の痛みはジンジンという鈍い痛み(疼痛 / とうつう)で、装置を装着した直後や調整後に出やすくなります。我慢できないほどの痛みではありませんが、特に物を噛むときに痛みを感じやすいです。
歯を動かすときの痛みについては個人差も大きく、矯正装置の種類や力のかけかたによっても違いがあります。
舌側矯正の発音・滑舌
舌側矯正では、発話の際に舌が装置とあたるため、発音・滑舌が難しくなる場合があります。特に舌を前歯の裏側につけることで発音するサ行やタ行は音が出しづらくなります。
また、日本語よりも舌の動きが重要になる英語ではさらに発音がしづらくなる場合があります。ただし、1週間から2週間ほど意識して話していると、ほぼ通常通りの発音を取り戻すことができます。
舌側矯正中の食事
矯正装置に慣れるまでは、食べにくさを感じる場合が多くあります。また、装置を付けたばかりの時や調節した直後は痛みを感じることもあるため、硬いものが噛めないこともありますが、早い人で1週間~2週間、おおむね1ヶ月程度で改善されます。
また、硬いもの・歯につきやすいもの(お餅やキャラメル)は矯正装置が外れる原因となることがあります。
装置を付けたての時期に適している食事や食べ方についてもご案内いたしますので、お気軽にお尋ねください。
新宿南口矯正歯科では、担当の矯正歯科医が舌側矯正装置の技工を行います。患者さんごとのマイナートラブルにもできるだけ対処いたしますので、ご不安な点、気になる点は都度ご相談ください。
矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用
どのような医療にもリスクは伴いますが、矯正治療にも患者さんに知っておいていただきたいリスクや副作用が存在します。
各リスク・副作用はすべてが起こるわけではなく、新宿南口矯正歯科では、検査・治療計画・定期的な確認によってこれらのリスクを事前に防ぐようこころがけています。
矯正装置による不快感、痛み(疼痛)
矯正装置の不快感や痛みを感じる期間は人それぞれで、処置の内容によっても変変化しますが、一般的に、矯正装置を装着してから2〜3週間ほどで装置がお口の中にあることに慣れてくるようになります。
また、歯が動く際の痛みは感じ初めて1日〜2日ほどで収まることが多いと言われています。
治療期間の延長
歯の動き方には個人差があり、診断時に予測した治療期間を超える可能性があります。また、マウスピース等の矯正装置やエラスティック(顎間ゴム)の装着時間が足りない場合にも治療期間が延長される場合があります。
虫歯や歯周組織の炎症
矯正装置を装着している間は、丁寧な歯磨きが必要となります。歯の清掃が不十分ですと虫歯や歯周病にかかりやすくなります。歯のみがき方指導を行いますので、歯みがきを徹底し、矯正治療中も口腔内を清潔に保つようにしてください。
歯根吸収
矯正歯科治療中、歯根が歯の土台(歯槽骨)に吸収されていき、短くなることを歯根吸収(しこんきゅうしゅう)と呼びます。矯正治療において歯を無駄に動かしたり、強すぎる矯正力をかけてしまう場合に、歯根吸収を引き起こす可能性があります。
歯肉退縮
歯茎が下がり、歯の根元が露出するようになることを歯肉退縮(しにくたいしゅく)と呼びます。矯正治療ほか、強すぎるブラッシングなどでも生じます。歯根が露出すると、知覚過敏を引き起こし、虫歯・歯周病にもなりやすくなるほか、審美面でも問題となります。
矯正治療において歯の動かせる範囲は、歯槽骨のある部分だと決まっており、歯槽骨から歯が外れていった場合、歯肉退縮が生じることがあります。
また、矯正力が強すぎた場合、歯槽骨が吸収され歯茎が下がることでも歯肉退縮は起こります。
骨の減少
歯を支える骨や歯肉がすでに不健康な状態
エナメルクラック
装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
後戻り
矯正歯科治療が終了した直後は、歯は不安定で動きやすい状態にあります。矯正後の歯を安定させるため、リテーナー(保定装置)の装着をお願いしています。リテーナーを指示通り使用しない場合、歯並び・噛み合わせが再び乱れてくる「後戻り」を引き起こすことがあります。
装置の破損、脱落
矯正装置は小さな部品から成り立っており、何らかの衝撃により外れた場合、矯正装置を誤飲する可能性がありますのでお気をつけください。装置のゆるみ、浮き、ぐらつきなどを感じた場合には早めにご相談ください。
装置による口腔内の炎症
ゆるんだり破損した装置によって、または口をぶつけたりすることによって、頬や唇が傷ついたり炎症を起こすことがあります。
顎関節に対する影響
矯正治療中、一時的な噛み合わせが顎関節に影響を及ぼし、顎の痛み、開口障害などを引き起こすことがあります。
アレルギー
装置の種類、材質はそれぞれ異なりますが、装置に対してアレルギー反応を起こす場合があります。金属アレルギーやラテックスアレルギー等、事前に確認いたしますが、治療中に反応が出た場合、装置を変更したり、治療を中止することがあります。
歯の癒着
ごく稀に、歯が生える過程で歯と歯が癒着すること(癒合歯 / ゆごうし)、強い衝撃などにより歯と歯槽骨とが癒着していること(アンキローシス)があります。癒着した歯に対してむやみに矯正力を加えても歯の移動は難しく、治療前の検査にてよく確認する必要があります。
治療済みの歯に対して
歯に被せ物などの大きな修復物が装着されていると、神経に影響が生じることもあります。また、矯正治療後、かぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などを 治療後の噛み合わせに合わせてやり直す必要がでてくる場合があります。
舌側矯正の料金・費用
矯正治療は機能性や審美性を重視するため、原則自由診療(保険適用外の自費診療)となり、保険診療よりも高額になります。医療費控除制度の活用やデンタルローンによる分割払いのご案内もいたしますので、お気軽にご相談ください。
矯正治療開始前に必要な費用
検査・分析・診断・説明38,500円(税込)
治療プランの決定にも欠かせないのが治療前の精密検査です。歯科用3DCTによる撮影、歯型の取得(口腔内スキャナでの撮影)を行い、患者さんの歯並びや噛み合わせを分析し診断いたします。 後日患者さんにご説明の時間をとり、治療計画や有効な治療方法をご提案いたします。
矯正方法・矯正プラン別の費用
(上裏側・下表側)
(裏側矯正)
※矯正治療は保険外診療(自費診療)のため、公的医療保険の適用外となります。